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2014年10月 5日 (日)

久々にアンプを修理する

世に趣味と称するものは数多ですがね、よく聞く話で「趣味は何ですか?」と聞かれて「昼寝」とか??は?昼寝は趣味になるんですかね?やっぱ趣味ってあれこれ創意工夫しながら努力して何かしらの感動や能力等の何らの結果が出せなきゃ趣味としては意味無しだと思うのですがね。
 そんなワタシの趣味の一つが音楽であり電子機器弄り。

或る日或る時ご近所のライブハウス兼カフェのマスターから久々に入電で曰く「アンプ壊れてんだけど直してくんない?」とのご指示で引き取って参りました。
右は推定40年程前に製造されたと思しきジュークボックス内蔵の真空管式アンプ、左はかの有名なVOX社製ギターアンプです。
Img_1498 まずギターアンプのメーカーさんは数多あれどVOXにマーシャルにフェンダーが正に三大ブランドでありこれに意義を唱えるマニアはおりますまい。
 下手クソながらガキの頃より細々とギター等の楽器を楽しむ立場としては正にVOXブランドは我が憧れでしたが赤貧の身とあらば買える訳も無く諦めておったのですがね・・・修理依頼とは言えそれが手許に来るとは?
ちなみにワタシの愛用しているギターアンプはコチラでして。Dscn0024

フェンダー社のツインリバーブモドキの国産アンプで製造は昭和40年代、勿論自前フルオーバーホールで現役バリバリですけどね。
 てな訳でまずはVOXのアンプから修理すべく裏蓋を外して内部点検をば行います。Img_1503
 ワタシを含めVOX製ギターアンプの過去を知っている人が見たらガックリする事請け合いでして、ガラエポの基盤に日本製のコンデンサや抵抗が実装されており、この景色だけ眺めていると最新式の家電品としか思えないですな。
 又真空管ですが基盤には実装されず別シャシーに固定及び配線されているのですがこれってやたらリード線が延びて音質劣化やノイズを拾うコトにならない?なんてぶつぶつ言いながら不具合箇所の特定と点検。Img_1505
 今回は入力ジャックがグラグラになりケーブルが切れかかっているとの申告なので該当するジャックを外してみた所扱いが荒い?から?ネジ山が一部欠損しておりその影響でシールド線が切れ掛かりになってました。
ヤスリでネジ山を立て直して平ワッシャを一枚余分に重ねネジの元気な部分で固定出来る様にしておきました。
 キレかかりのシールド線は一旦切断し皮剥きをしてから再度ハンダ付けして修理完了。
早速音出し試験で手許に有るビオラベースを接続し音量は控えめながらバスブーストは一杯にして「ズ~~~~~ン♪」・・・・防音で締め切った雨戸がビリビリと響きます。
Img_1509
まあレフターでは有りませんが気分はポールマッカートニーですな。
 暫くあれこれ弾いて遊ばせて貰ってからクーペに搭載し再びマスターが待つお店にお伺いしアンプの配達完了!Img_3978
 所でオーディオ又はエレキギターを操る方が見れば「あれぇ?」と思った方も多いのでは?
 何がって入力ジャックの写真ですが使われているシールドケーブルは精々2mmも無い細さ?
勿論「無酸素銅のなんちゃらかんちゃら」の能書きが付くケーブル等では無くその辺の電気屋に行くと1m○十円で売られている普通のシールドケーブルです。
 ギターマニアは勿論ですがオーディオマニアの間では誠しやかに「ケーブルを変えるだけで音が格段に良くなる」と信じられいまだ論じられていますがね、天下のVOX社製ギターアンプでも中身はこんなものなんですよ。
 ハイエンドオーディオ用のアンプも同様で全てを検証した訳では有りませんがオリジナル状態で内部配線に無酸素銅だのビンテージケーブルだのを使用している製品なんて殆ど無いと思いますよ。
 そんな機器にバカ高いケーブルを接続して本当に音が劇的に良くなると思います?
仮にその良質ケーブルの区間では音が良くなるとしても内部配線でこんなケーブルが使われていたらこの時点でOUTでしょ?
まあ個人の好みですから敢えて批判めいた表現は避けますがくれぐれも口先の上手なショップの餌食にならない様にしましょうね。

 ハテお次はジュークボックス用の真空管アンプでして症状としては歪が酷いのとブツブツと言うノイズが混じっており更に低レベルながらハム音も出ると言う状態。
 Img_1501 タマはファイナルには定番の6BQ5が四本??でもってジュークボックスはモノラルなのでえ??怒涛のウィリアムソン型??あれ??OUTトランスが二個有ると言う事はステレオ?なのに何故ジュークボックスはモノラル?
 訳が判らんのですが症状からすると故障原因はカプリングコンデンサと電源部の電解コンデンサの容量抜けとレアショート並びに真空管の劣化と言う所でしょう。
 裏返して各部を検証しましたがやはり電源部の電解コンデンサからは黒い内容物が飛び出しているのでかなりの末期症状ですな。Img_1511
 その他ペーパコンデンサは目視では異常無しですが推定40年前のペーコンが元気な訳も無く全て新型のフィルムコンに交換ですな。
Img_1502 所でVOX社製のアンプの中身を見てたので尚更なのですがこのアンプに使われている部品はと言うと今風に言うと誠に贅沢でマニア垂涎のパーツがゴロゴロ♪
 電解コンデンサは米マロリー社Img_1514 ・ペーコンはコーネルデュプラーシャ社・ポテンショメータ(ボリューム)はブランド刻印が無いので判りませんがその作りからしてアーレンブラッドリー社製かと?更に整流素子はドイツジーメンス社製のセレン整流器。Img_1515
 トランスは??これも刻印が無いので不明ですがその形状から推定するにカナダハモンド社製では無いかな?
 とまあ何れもマニア垂涎御用達の珠玉の如きお宝パーツが惜しげもなく投入されているアンプなのです。
 で?同じ部品を使うのか?ですと??答えはNO!全て国産の汎用部品を使う予定です。
 何故?ちょいとWeb検索をして見るといまだ上記のメーカーさんの部品を販売しているお店が有るのですがね、値段を見ると腰を抜かします。
 なんでたかがペーコン一個に千円も払う?ケーブルと同様にコンデンサを有名品に変えるだけで音が劇的に良くなると言う人が居ますし敢えて否定はしませんがね。
 そんな人には二度お聞きしたい「抜き打ちの目隠しテストで本当にその違いが判りますか?」とね。
 勿論同一規格の国産部品と比較してその価格差が二倍とかならまあココロの満足で手を出しても良いとは思いますけどね。
 しかもそんな伝説の高級部品の中にはNOS、つまり当時物のコンデンサも売られておりこれが新しいそれよりもバカ高い値段で売られておりそんなゴミを喜んで買うマニアがいるに至ってはもう只管呆れるばかりです。
 コンデンサはナマモノでして例え使わなくても経年変化でドンドン性能が劣化して行きますしこれはハンダも銅線も同じでしてね、古いハンダなんぞを使うと酸化による劣化でハンダゴテで溶かすと酷い物だとモロモロに溶けて極度になじみ(濡れ性と言う)が悪いのですな。
 ケーブルも同様で「ドイツB社製無酸素銅を使っており」と散々宣伝しているかと思うと「米WE社製のビンテージ単芯ケーブルで」とか間逆の事を言いながら最高の音質が楽しめるとバカ高い金を請求しているショップがゴロゴロ。
 今回着手したこのアンプに使われている真空管も同様で専門ショップの口にかかると「専門の技術者が専用の測定器でgmの揃ったタマをペア取りします」なんてもっともらしい事を言うてるでしょ?gm測定なんてチューブチェッカーが有ればバイト君でも簡単に出来ますよ。
 又gmが揃っているからペアなんてアホな事を言うてはイケませんし、「だから高いのね」と言いそれを鵜呑みにして大枚お金を払う何も知らない自称マニアさん。
はっきり言うておきますが真空管のペア特性なんてそんなに気にする事は有りませんし「ペアだから高い」等と言う嘘を平気で公言するお店では買い物はしない事です。
 あら??らら??ちょいと書きすぎた??お気に障ったマニアさんがおられましたらこの場を借りてお詫び申し上げます(発言撤回はしないけど)。
 でわ!

 

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コメント

うんちくさん
 ははは!うんちくぱわー炸裂ですね!!
 仰っていることはすべてそのとおり。
あー気分爽快ですよ。ホント皆さん騙されないでね、と言いたいですね。
回路上の信号はすべて、コンマ数ミリのリード線。コンデンサの足とか抵抗の足とか
トランジスタの足とかを通っているんですもんね。海外の素子メーカーの部品の善し
悪しは評価出来ませんが、日本製の部品の信頼性や性能はとてもいいと思います。
神懸かり的な世界に自己満足することは否定はしませんが、少々もの悲しいのでは
と思います。(はっきり言ってバカですね。でも、バカを食い物にするヤツは最低ですね。)

投稿: 四方山果無 | 2014年10月 5日 (日) 20時27分

同病?四方山さん
>あー気分爽快ですよ。ホント皆さん騙されないでね
 ソーかい?なんちゃってネ、ハイエンドオーディオとクルマの世界って似た様な所が有りましてね。
 騙して儲けるショップは勿論ですがもっと罪なのは自称「マニア」さん。
 本当は判りもしないのにさも判った様な顔をして悪どいショップの援護射撃をしてるんですよ。
まあそれ以前にワタシ自身鈍感でアバウトだからあんまり人様の事は言えませんけどね。

>日本製の部品の信頼性や性能はとてもいい
 いや!これは否定する人は居ないでしょう。
基本的な電子部品で日本製を否定すると世界中の電子機器メーカーは全部倒産すると思いますよ。
 ただね、今回VOX製と社名不明の40年前のアンプを並べて見ると見た目の重厚感では日本製の部品はダメですな。
(あくまで見た目ね)

投稿: うんちく | 2014年10月 6日 (月) 09時08分

 私、ギターアンプは全く分からないのですが、うんちくさんの仰るとおり、真空管にこの配線は普通無いですよね。真空管の時代が終わろうとしている時の過渡期の(中途半端な)製品に見えますね。電解コンデンサの耐圧は大丈夫なのかな?
 ジュークボックス用のアンプはなかなか魅力的な佇まいです。12AT7や6BQ5など、昔親しんだ真空管で懐かしいです。セレン整流器!懐かしい!トランスレスの真空管テレビにはよく使われていました。
 でも補修部品って手に入るんですかね?特に真空管や電源部の電解コンデンサなどは?
 修復が完了したら、一度ステレオで動作させてみたらいかがですか?きっと幸せになれるような気がしますよ!!

投稿: 四方山果無 | 2014年10月 7日 (火) 23時49分

ご指摘四方山さん
>ギターアンプは全く分からないのですが
 オーディオマニア曰く「このアンプ歪が出てるね、ダメじゃん」と。
 ギターアンプマニア曰く「このアンプディストーションが効いてて良いアンプだね」
 ???判ります?どちらも意味は同じなんですが何故か評価は真逆になる不思議な世界。

>真空管にこの配線は普通無い
 無いですね、タマの周辺はインピーダンスが高いので配線が伸びるとノイズを拾うし音も劣化するので「二点間の最短距離」で配線するのが当たり前。

>真空管や電源部の電解コンデンサなどは?
 これが又魑魅魍魎の世界でね、今でも類似規格のコンデンサは入手可能ですがオーディオ用と称するソレは馬鹿高いのです。
 ナイショ話しですが某コンデンサメーカーのエンジニアに聞いた話、「ケミコンを変えただけで劇的に音が良くなるなんて有り得ないですよ」だそうです。
 但し良否は別にしてカプリングコンデンサを変えると音が変わるのはワタシも認めますけどね。
 でも劇的云々は余りにも大袈裟だし25倍もの対価を払う価値は無いと思いますよ。
 クルマもオーディオもショップの餌食にされない様にしましょうね。

投稿: | 2014年10月 8日 (水) 05時40分

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